BB戦士No45 闇皇帝 素組みレビュー
闇軍団の最高司令官である闇皇帝。
その正体は邪悪な念の集合体であり、肉体を滅しても何度でも蘇って来るという極めて不気味な存在。SD戦国伝は悪という概念そのものである闇皇帝との戦いを3世代に渡って描いた壮大なストーリーであることがここで判明する。
モチーフはプロヴィデンスガンダムかシャンブロに見えるかもしれないが、闇皇帝発売当初、ガンダムSEEDもUCも設定すら存在していないのでその見解は誤り。
三国創傑伝に於いて闇皇帝のようなシルエットとビーストモードへの変形ギミックを取り入れた董卓プロヴィデンスガンダムが登場しており、闇皇帝の存在は後のSDガンダム作品に大きく影響を与えている。
【キット情報】
名前:闇皇帝
BB戦士No:45
登場作品:SD戦国伝全般
モチーフ:なし
発売年:1989年11月
価格:500円
キャラクター紹介
闇軍団を陰で操る黒幕であり、何世代にも渡り破滅と復活を繰り返す邪神とも言える存在。
武者七人衆編では闇の鎧を使い殺駆頭の精神を支配し「闇将軍」に仕立て戦乱を巻き起こすも闇将軍は将頑駄無に敗退し自ら出陣。結果二代目頑駄無大将軍と相打ちとなり敗北。
天下統一編では同じ邪神の魂を持つ黒魔神として登場し、鳳凰頑駄無(初代頑駄無大将軍)を殺害しているが、後に歴史を改変され敗退に追い込まれる。
風林火山編では敗退した黒魔神と合体し「黒魔神闇皇帝」として復活を遂げるも四代目頑駄無大将軍と時空を超えて救援に駆け付けた歴代の大将軍の協力攻撃を受け敗れ去った。しかし、邪念の集合体である闇皇帝を完全に滅すことは出来ず、時を超えて「闇帝王」として復活している。
闇皇帝とは、単純な悪ではなく人間の負の部分、すなわちエゴの集合体なのかもしれない。
パッケージアート、ランナー紹介
悪の帝王としての貫禄が伝わって来るパッケージアート。
箱を開けるとこんな感じ。1989年発売のキットなので色分けは頑張ってはいるものの、大部分をシールに頼らざるを得ないようで、シールはかなり多い。
胸部や黒星砲に使う黒ランナー。
頭部や足など体のほとんどの部分に使う青ランナー。
武器や鎧に使う白ランナーと兜と爪パーツの銀メッキランナー。
説明書にはいつも通り資料とコミックワールドが載っている。
闇皇帝
1989年のキットにしては造形が良くパーツが大きいため迫力がある。
頭部が物凄いボリュームがあり、兜と黒星砲を接続している。
背中の黒星砲はやっぱりプロヴィデンスガンダムのドラグーンシステムに見えてしまうね。
左手には爪が装備されている。
右手にも剣状の固定兵装が取り付けられている。
恐ろしい破壊力を秘めていると言われる黒星剣。犬夜叉の竜鱗の鉄砕牙のように刀身の半分に鱗のようなモールドが入っている。
バトルモード
バトルモードに変形させるには、まず背中の黒星砲を取り外す。
両腕に黒星砲を装備して完成。
簡易的な変形ではあるが、当時は十分に楽しかった。
モンスターモード
闇皇帝の最大の目玉であるモンスターモードへの変形は、まず黒星砲をこのように縦に装備する。
お腹をぐっと押し込み変形が完了する。
余談だが、董卓プロヴィデンスガンダムも闇皇帝に似た変形をしていた。
お腹を押し込むというギミックは非常に斬新でこのように500円キットで変形可能というのは当時としては珍しかった。
まさに破壊神、というイメージでかっこいい。
FREEDOM
「我が名は破壊神闇皇帝。破壊の洗礼を受けよ!」
「人は争わねば生きていけぬ。余は人間の代弁者である。」
二つの国と一つの街と人が、交差する喜び悲しみとか・・・。
争いに勝つ事、土地を仕切る事、色で分ける事、血を選ぶこと・・・。
「これらはうぬら人間の本質でありエゴである。」
「余に平伏するも挑むも自由。余はうぬらの自由を阻害しない。」
不都合な環境、普通じゃない愛、不思議な状況、不満の声・・・
不条理なモラルに不快な歴史、不機嫌な大人たち不平な子供・・・
「すべてを破壊する!!!」
「見事だ・・・。だが、負の感情が再び世界を支配する時、余は蘇って見せようぞ!」
二代目頑駄無大将軍の攻撃を受けて爆散する闇皇帝。
まとめ
負の感情の集合体である闇皇帝との戦いを描いたSD戦国伝は単なる戦国ドラマではなく、人間の本質に触れた壮大なストーリーとも言える。戦争は太古の昔より繰り広げられてきたが、領土や宗教、経済による問題から他国を脅かすという本質は今も昔も変わっていない。完全不滅の魂を持つ闇皇帝を滅することは人が人である以上不可能であり、「争い」という人の本質を解決するためには信仰、領土、貧富などのすべてを超越する必要があるが、人類は数千年の歴史の中で未だそれを解決する手段を見つけられていない。太古から現在において人類は信仰や経済の奴隷であり、どんなに信仰や富を極めても「自由」とは言えない。そのすべてを超越した時、我々人類は真の意味で「自由」になれるのだろう。
現代に於いても人類の愚かな争いは世界中で起きており、闇皇帝という悪の代弁者は我々の住まうリアルの世界にも顕現しているのかもしれない。
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