5分でわかるSDガンダム外伝 アルガス騎士団編 前編
魔王サタンガンダムを制し、伝説の巨人の地ならしを食い止めるという大健闘を果たしたナイトガンダムは一人の男性の心を大きく動かした。彼の名は騎士アムロ・レイ。騎士としてはアムロの方が先輩であったが、騎士ガンダムの正義感や勇気、利他的精神に大きく心を打たれ、騎士アムロは心身を鍛え治すため、単身修行の旅に出る事となる。
戦乱渦巻くアルガス王国
修行中、アルガスという王国に立ち寄った騎士アムロ。
ところがアルガス王国は現在隣国であるムンゾ帝国と戦争の真っ最中であり騎士アムロは戦闘に巻き込まれてしまう。騎士アムロはアルガス軍に味方し、ムンゾ軍を撤退させることに成功。突発的な戦闘で見せた腕を見込まれて、アルガス王に謁見を許され、国王から様々な事実を聞く事となる。国王の話を要約すると、以下の通り。
・ムンゾ帝国は突然凶暴になりアルガス王国に襲いかかった事
・騎士団長が敵軍の捕虜となりアルガス軍が混乱している事
・アルガスの王子とムンゾの姫が恋仲であり困っている事
複雑な人間ドラマが展開されている中、ムンゾ軍へ反抗作戦が進行中で、騎士団長の奪還に近くアルガス軍が動くという事も聞かされた。
騎士アムロは考えた。もし、尊敬する騎士ガンダムが同じ立場ならばどうするか?
騎士ガンダムならばアルガス王国、ムンゾ帝国の両方を救うため、戦争を決着させ両国間を平定するだろう。
アルガス、ムンゾ両国の平和のため、騎士アムロはアルガス軍へ志願する。
突然おかしくなったというムンゾ帝国の真相を探り出し、解決の糸口を見つけたいと思ったからだ。
騎士アムロ、アルガス軍へ志願
アルガス軍加入の意思を国王は快諾し、騎士アムロの勇気と人の上に立つ才能を見極め、騎士団長代理という地位を与える。
騎士アムロがアルガス軍へ志願した理由は人々を平和にしたいという気持ちだけではない。
アルガス軍の騎士団長の名前は全員ガンダムであり、自分たちはガンダム族の末裔であるという話を聞いたからである。一緒に行動すれば騎士ガンダムとの関係性が何かわかるかもしれないと思いともに行動することを申し出た。
ところが、軍団長の一人から異論が出る。
「騎士団長の奪還作戦は騎馬隊のみで十分である!」
彼の名は剣士ゼータガンダム。勝ち気で自信過剰なタイプであり、非常に強そうで頼りになる男に見えるものの、1師団のみで単騎突撃など、正気の沙汰ではない。
「騎馬隊など不要、戦士隊こそが最強である!」
剣士ゼータの言葉をさえぎり前に出たのは戦士隊隊長、闘士ダブルゼータガンダムであった。とても体が大きく熱血漢という感じの男で、戦いにおいては無類の強さを発揮するであろうが、頭脳労働が得意でなさそうなのは誰の目にも明らかである。
「俺なら魔法で城内に潜入して騎士団長を奪還出来る。法術隊にご命令を!」
次に前に出たのは法術隊隊長、法術士ニューガンダム。頭の良さなら他の二人より上ではあろうが、完全に今は逆上しており、やはり1師団のみでの戦闘は難しそうである。
真の騎士道とは?
3人の軍団長たちは言い争いを続け、呆れた事に国王の前で掴み合いの喧嘩に発展。喧嘩の内容を良く聞くと、「自分ならやれる」「俺が一番強い」という内容ばかり。
騎士団長代理となったアムロは3師団の力を合わせムンゾ帝国に出撃する必要がある、と持論を展開するも、まったく聞く耳を持たず、争いをつづけるばかりであった。
喧嘩を続ける3人に対してとうとう騎士アムロはキレる。
「今は騎馬隊が、戦士隊がと内部で争っている時ではない。俺の知っているガンダムは今でも人々に勇気を与え続けている本物の勇者だ。それに引き換え、君たちはあまりにも身勝手だ!」
3人の隊長たちの酷い勝手さについ怒鳴ってしまった。それでも騎士アムロの怒りは収まらない。
「みんなで協力できないのであれば俺は一人で行く!」
アルガス騎士団、進軍開始
怒りに任せて単身ムンゾ帝国へ向かう騎士アムロであったが、道中すぐに3人の騎士団長が軍を引き連れて合流する。
「よそ者に良いところを持っていかれたくないからな」
剣士ゼータが笑った。
「それに、騎士団長殿だけでは頼りなく思いましてね」
闘士ダブルゼータが続けて話す。
「仰せの通り、騎馬隊、戦士隊、法術隊、全軍一緒です」
法術士ニューガンダムが指をさした先には見事に陣を組む3師団が見えた。
騎士アムロの檄が彼ら3人を動かし、勇気を取り戻した瞬間であった。混乱が続いたアルガス騎士団の心を1つにすることに成功し、ついにムンゾ帝国との最終決戦の火蓋が切って落とされた。
この一戦によりアルガス王国とムンゾ帝国両方の運命が決まる。戦争を終わらせこの地を平定するためにはムンゾ帝国を覆う暗雲を晴らす他になく、絶対に負ける事が出来ない宿命を背負い騎士アムロはアルガス騎士団の指揮を執りムンゾ帝国軍との全面衝突に挑むのであった。
次回を待て。
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